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Channel: Kinoの自転車日記
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完成しました スプートニク

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皆さんに長くお付き合いを頂いた 新しいロードレーサー・スプートニク
これが完成したので写真でご紹介させて頂きます





完成写真です 今回の計画は 2012年10月に石川県のカツリーズサイクル&デザインさんとの
塗装デザインから始まっています 組立記録だけでは無くその計画段階の流れも記事に
させて頂きました カツリーズサイクルさんが妥協せず良い仕事をして下さったので 
それに負けない様一切手を抜かずこの自転車を組上げました




シートチューブの下部には 控えめに Katsuri'sのステッカーとシリアル ?が記されています
直付変速機とそこに装着しているのは 自作のチェーンキャッチャー





そのチェーンホイール部分 Shimano の ULTEGRAのコンパクトクランク 変速機は DURA-ACE
FD-7800 10速用です





リアメカは DURA-ACE RD-7800 前後共以前のロードからの移設です チェーンステーには
KINO55CRAZY55 私の Webサイトのアドレスが入っています




ヘッド回り 小物は CHRIS KINGクリスキングを選択 ステムは DEDA ZERO 100 そのステムの
間から見えるフォークコラムにはクリアブルーを塗り少々お化粧をしました





ハンドルバーエンドには オリジナルバーエンド これもカツリーズサイクルさんの制作です





リアブレーキ付近 フレームのシートブリッジには白とグリーン・ブルーの塗り分けがして有ります





フロントフォークとブレーキ ブレーキ本体は DURA-ACE BR-7700 9速時代の部品です
ブレーキのインナーケーブルの先端は半田付けで処理





サドル回り サドルはサンマルコの ASPID 私のお気に入りサドルです スペアタイヤはチューブラー





集合ステー部分 ここの配色もカツリーズサイクルの成田さん独特のセンスです 塗装時の
マスキングが大変だったと思います





チェーンステーとシートの集合部 かなりボリュームの有る形状です この自転車、日陰で見ると 
何とも言えない発色をしてくれます





そのグリーンメタリックと良くマッチした スプートニクのロゴ ここはダウンチューブです





ハンガーシェル部 小物は CHRIS KING クリスキングのセラミックベアリングを選択





もっと色々な所をご覧頂きたいのですがこの辺にしておきましょう

今回はフレームデザインの相談から決定を経て塗装へ 塗装の完成後は出荷前に全てのメスネジに
タップを通して下さる・・・ その真摯な姿勢に感動すら覚えた取引でした 今回は本当に
カツリーズサイクルさんにお願いして良かったと思っています 

皆さんにも完成までの間、長くお付き合い頂き有難うございました ここにお礼を申し上げます

前回の作業 【 ロード組立 最後の作業 バーテープを巻く 】

初回の記事はここから 【 新フレーム計画 Спутник スプートニク 】 

このフレームの案内は カツリーズサイクル&デザイン 【 大人のマグネシューム ソユーズ 】


下巻きには 結束用テープ

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私のブログで何度か記事にしている ハンドルバーテープを巻く時
その下巻き等で使うテープの紹介です これは伸び戻りが少なく
熱で糊が沸かないものが良いですね




この用途のテープは過去何度か紹介させて頂いています




今迄電気工事などで使うビニールテープを使う事が
多かったのですが それより使い易いプラスチック
テープを使い 又電気の線を束ねるハーネステープを
使う様になりました






これは一番右のプラスチックテープ 3Mから発売されて
います 厚さも有りしっかりしており、バーテープの
端末処理やチェーンステーの傷の防止などには良い
でしょう ただ販売店が少なくお値段も 3m程度の
物が 300円前後とやや高めです






これはプラスチックテープが高額なので 試しに
使った処なかなか良く 現在主に使っている
電気コードの結束用テープ 全く不満を感じません

厚さもプラスチックテープより薄く バーテープの
下巻きにも適しています 発売は エーモンと言う
車用の小部品の取り扱い会社で 20mの物が 400円程です






これは今回見付けた やはり電気コードの結束用の
テープですが かなりお安い・・・ 発売元は STRAIGHT
ストレートと言う会社ですが これは工具の販売会社です

先述のエーモンの物よりまだ薄くやや頼りなく感じますが
色々な所に巻いてみましたが バーテープの下巻きなら
これで充分でしょう お値段は 1巻 110円 10巻 800円と
お財布に優しいお値段です





久し振りの風景写真ですが さすがにこの時期は色鮮やかな草花は見当たらないですね

今回のテープ 良さそうな物は取りあえず試してみます 皆さんも何か良い物に出合えたら
良いですね netで探すのも良いですがやはり手に取って見るのが失敗が少なくて良いかな?

スプートニク ブレーキシューの交換

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手を抜かず丁寧に組立てた新しいロードのスプートニク 組立時に使った
ブレーキシューのホルダー色がゴールド この色が少し奇抜過ぎるので
ノーマルの部品に交換しました




使っているブレーキ本体は DUDA-ACE BR-7700
このブレーキのシューホルダーはトウイン・アウトの
調整が出来る構造ではなく 微妙に調整をしたかった
今回のフレームの為に ブレーキシューセットを交換
しています






そのシューホルダーは ULTEGRA BR-6700のシューセット
それを以前ゴールドに塗装したもの これが今回の
フレームには少々似合わない じゃ交換しましょうと
作業を進める






この梨肌のホルダーはあまり好きでもないが
ゴールドよりこの方が良いですよね





これが自分で塗装をした ULTEGRA アルテグラのシューホルダー この色もフレームの塗装に合えば
凄く映えると思いますがこの様な小物でもやはりコーディネイトと言うのは大切ですね

これを塗装した時の手順はこちら 【 ブレーキシューホルダーを 塗装する 】

このブレーキシューセット不思議なお値段 【 シマノブレーキシューセット ULTEGRA BR-6700 】

スプートニクの完成写真 【 完成しました スプートニク 】

 

スプートニク ボトルゲージを取り換える

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新たに自転車を組立てた時 少し乗ってみて手直しと言う事は良く有ります
それは機能的な事であったり見た目であったり 意匠的な事も快適に乗る
うえでは大切な事ですね




新しいロード・スプートニクを組上げた時
ボトルゲージはカーボンとアルミを併用していました
アルミが似合うフレームも有るのですが パイプが太い
最近のフレームにはあまり似合わないですよね






かと言って私もそんなに沢山在庫が有る訳じゃない
今回新たにカーボンの物を取り寄せましたので 
これを付けてみましょう




これでどうだ! 先程のアルミの物より恰好良く
なったじゃないか




ボトルを入れてみましょう あれ? あれあれ?
トップチューブにボトルの頭が当たり入らない
じゃないか・・・






じゃこのボトル型のツールボックスはどうでしょう
今度は底が見事にタッチします もうここで泣いても
良いですか? 悲しい・・

まあこれは有る程度の予想はしていたので 泣くのは
我慢して色々と試してみましょう






アルミの物や色々な組み合わせを試しましたが
結局先程のゲージ双方の装着位置を入れ替えたら
解決

最近の後ろ下がりのフレームで小さなサイズでは良く
有る事です シートではボトルの出し入れを考えると 
ゲージは下の位置に限られます そしてダウンチューブの
ゲージは シートの物と底が当たらない様に上の位置

こんなボトルゲージの組み合わせを良く考えて選ばないと
いけませんね






シートチューブのボトルゲージは随分前に塗装をしています
この様子を見て何処かのお風呂屋さんの椅子みたい なんて
言っていた人が居たな きっと高級なお風呂屋さんなんでしょうね





ボトルゲージと言ってもカーボンの物は中々良いお値段がしますね デザインも
色々と有り選ぶのも楽しくて良いですが、やはりしっかりとホールドしてくれて
使い易いのが良いな

サイクルコンピューター CATEYE CC-TR310TW V3n

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最近の自転車には全てと言って良い程取り付けるサイクルコンピューター
今回は新しいロードレーサー スプートニクにキャットアイの新製品
CC-TR310TW と言う Vシリーズの商品を取り付けました






新型2.4GHzデジタルワイヤレスコンピュータ
心拍・ケイデンス(ペダル回転数)・速度の3信号を
ワイヤレス送信で使えると言う商品 定価は 21000円






箱から商品を出してみました 付属されている取説の
厚さにちょっと驚き 英語から始まり 7ヶ国語の冊子です
この手の商品はちょっと検索すると 凄くお安い Webショップも
有ります でもそれはそれで何時もお世話になる自転車屋さんで
取り寄せて頂きました それがお付き合いの潤滑剤になれば良い
ですしね




この商品の本体部の大きさが カタログや CATEYEの
H.Pでは全く想像が出来ませんでした パナソニックの
リムセメントと比べるとこんな感じ






ちょっと比較する物が悪かったですね 最近リムセメンを
使う方はほとんど居ないし・・(笑)

これはキャットアイの CC-MC100Wと言う少し前の機種です
実はかなり大きな本体だろうと想像していたのですが
色々な情報が表示される割には 思いの外小振りだと
言えるのじゃないでしょうか






折角ですから取付け方法もご紹介しましょう
これはチェーンステーに付けるセンサー部
スピードとケイデンスを共用しています

本体に付属のゴムパットを取り付けます






これをチェーンステーにタイラップで取り付けます






本体側がケイデンス 角(ツノ)の方がスピード用ですが
その設置寸法の調整はこのネジを緩めて行います この
ネジはプラスドライバーかマイナスか良く解らない形状です

取説にはプラスドライバーを使うと書かれていますが
少し大きな マイナスドライバーの方が良い気がします






これがセンサー用のマグネットで 上がスポークに付ける
スピード用 下がクランクに付けるケイデンス用です




スピードとケイデンスのマグネットとセンサーの隙間が
3mm程度になる様に調整し 各部品をしっかりと固定します




コンピューター本体をハンドル回りに取り付ける
アダプターです






これはステムとハンドルどちらかに装着出来る様に
考えられています






先程のブラケットバンドにコンピューターを装着する
ブラケットをはめ込みます






その裏側にブラケットゴムパットを貼り付けます
これが・・・ 綺麗に貼ろうとすると意外に難しい








私は取り付け場所はハンドルにしました ブラケットバンドに
ダイヤルと言う部品を付け これを回すとバンドが締まって
いきます






固定後余ったバンドはニッパーなどで切り落します






コンピューター本体とセンサー部の取付けが完了しました
センサー部の取付けは チェーンステーの形状に依り
その容姿はかなり変わるでしょうね








コンピューターの初期設定が必要です まず裏蓋を開け
電池の保護シールを外し通電させる処からスタートです
その後は説明書に従い 時刻やタイヤ周長をセットして
行きます






私が選手時代にはスピードメーターも無かった時代 
でも自分の走っている速度や距離は感覚でしたが
そんなに大きくは狂っていなかったでしょう

脚の回転数はローラー練習の時 回りの同僚が
数えたりしていました 今のは180回転/分だったな・・
なんて具合でした

でもこの器具は有れば本当に便利ですね 自分の目標や
その結果を数字で確認出来るのは良い事だと思います 





この表示部も全ての文字も良く見えるので使い勝手の良い商品だと思います

決戦用ホイール組 依頼

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自転車レースで使う決戦用と呼ばれるホイール 多くの自転車愛好家が
用意をしているのではないでしょうか そんなホイールを組んで下さいなんて
依頼が有りました それが又・・・ 私なんかが請けて良かったんでしょうか




ある日 Kinoさん決戦用のホイールを組んで下さいよ
なんて電話をもらいました 良いよ!って返事をしましたが
考えたら本当に良かったんだろうか・・・






そして Kino自転車小屋へ部品の一式を届けてくれました
このハブは SHIMANO DURA-ACE HB-7600
そう、トラックハブです






これは Hoshi ホシのステンレス段付きスポーク
長さが 305mm ハブと共に NJSの認可部品です

この辺りで何に使うホイールでどの様な組み方を
希望されているのか 解るかな?






じゃ用意されたリムも見て頂きましょう
ARAYA GORD 36穴 これで用意された部品達で
組めるホイールは JIS,イタリアンは別にし 8本組で
綾取りをしたホイールですね

ハブは両切りが用意されていたので その辺りは
本人の考え方や希望を聞いてみましょう






この依頼をくれたのは 日本競輪学校 98期の卒業生
兵庫県の 角 令央奈選手 先日 3場所連続完全優勝で
S級へ特昇を決めた若手売出し中の選手です

すでに S級でも勝利数を重ねており 今度記念競輪で
使いたいのでそれまでに組んで下さいとの事 引き受けた
ものの そんなお仕事で使う車輪を私が組んで良いんでしょうか

と思いながら近くのネパール料理屋さんでお食事
この寒い日に半袖の Tシャツ 参りました(笑)






改めてハブを見てみると ロックナットが変更されています
以前は四角いナットでしたが バックエンドに当る部分が
円形になり接触面積が凄く増えています これは固定力を
高める目的なのかな?






最近は私も使わなくなった 白いソーヨーのリムセメント
自転車に乗り始めた頃はこればかりでした 何か懐かしいな・・

用意されたタイヤは SOYO RED R? 軽量の競輪で使う
シームレスタイヤです






このタイヤを製造しているのは ダイワボウプログレス
この会社は随分前から 改組や合併などを繰り返していた
歴史が有りますね

さて 120mm巾の両切りハブ、これを練習用に使うのと
決戦用に使うのでは その考え方や思惑が少々違ってきます
決戦用なら片側しか使わないでしょうから スポーキングは
イタリアンの 8本組で行きましょう

私の少ない経験と拙い技量の中で 出来る限り良いホイールに
仕上げないといけないですね 只今気合を注入中!

次の記事 【 ホイール組み 事前準備 】

ARAYA ADX-1 チューブラーリムがやって来た

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ARAYA アラヤの人気リム ADX-1 発売されてすでに 30年程経っていると
思いますが AERO1 エアロ1と呼ばれ人気を博しています そんなリムが
手に入りました






この時代の部品は未使用で残っているのは少ない
のですが 今回は嬉しい事にデットストックを
手にする事が出来ました まだ工場出荷時の
ビニールが巻かれたままです




このビニール袋が案外曲者で 長く巻いたままに
しておくとリムにその跡が付いて取れなくなります
このリムは 28穴 私の好みの穴数です







AERO1とSUPER HARD ANODIZEDのシール 
これはかなり硬質なアルマイト加工がされています

とてもしっかりした 弾きの良いリムですがこの
アルマイトが影響しているのじゃないかと思います






シリアル ?が印字されています ニップル穴は
ハト目無し




リムの接続部は スリーブです これは他に溶接
リベットなどの方法が有ります






このリムのニップルが納まる部分が 特殊な形状を
しているので このアールワッシャーと言う部品を
使います






ホイールを組む時 ニップルがリムの中に入るので
この様なニップルビットが付属されています






アラヤの公表重量は 330g 実測が 328g 公表値より
軽いのは珍しいですね アールワッシャーは 8gでした




1995年のアラヤの資料 この ADX-1も後年になると
リムの内部の形状が変わり アールワッシャーが要らなく
なっている様です





何か色彩の鮮やかな草花は咲いていないか気には留めるのですが この時期、まだ早い様ですね

今回の ARAYA ADX-1 私のブログにもコメントを下さる知人がお世話をして下さいました
今は新たにホイールを組む予定は無いのですが 私のお気に入りのリム、大切に保管を
しておきたいと思います

 

ホイール組み 事前準備

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先日若手売出し中の日本競輪学校 98期卒業の角 令央奈選手から
競輪競走で使う決戦用のホイール組みを頼まれました 引き受けた以上
しっかりと作業をさせて頂きます





競輪競走で使える部品は NJS登録部品と言う縛りを受け アマチュア選手の様に
好きな部品を使う訳にはいきません これは競輪と言う性格上、全ての選手が
同じ条件で走ると言う理念が有ります

これからホイール組みを始めますが その中に必ず守るべきもの、個人の拘り
またどちらでも良いよ、なんてものも有りますがその辺も交えながら記事を
進めて行きましょう この写真はハブにワックスを掛けています、組んでしまえば
仕事がし難いので今の間に・・・ と、これこそどちらでも良い作業ですね(笑)




ハブのセンターへ印を付けておきます これも必ず
必要な事では無く有れば便利と言う部類の作業です






左右のロックナットの外側を計測しています
フロントハブの巾は 100mmです






そのセンター 50mmの所に印を付けます






ここは小さな印が良いですね ホイール組みが
終われば必要の無くなる印です






良くホイールのセンターと言いますが これはこの左右の
ロックナットの外面までをハブ巾と言い その中心に 
リムのセンターが位置する事を言います






この印がハブのセンターですが この位置にリムのセンター
が来るようにホイールを仕上げます これがホイールの
センター出しと言う作業ですね

この印はホイールを組み触れ取りをする時 バルブ穴から
覗き リムの寄りを確認する時に使います これは人に依り
その方法も違うでしょう




ホイール組みは少し広い所でやります





使うリムは NJS認定の ARAYA 16B GOLD 36穴です
バルブ穴に少し切削時のバリが残っています






内部用リーマーでバリを取ってやりましょう
これも絶対に必要な事では有りませんが 出来るなら
してやった方が良いですね





今回のホイールはやはり使う人の好みや希望を反映しなくてはいけません
これは自分の脚質やその走法に左右される事が多いと思います
 
今回角選手の希望を聞いた時、私が今まで考え感じた事が無かった様な
希望が出てきました それは競輪競走と言う独特のレースだからなのか
私が及びもしない脚力からくるものなのか ホイールと言う物の深さを
考えざるを得ない話しでした 

そんな事も含め、これからホイール組みを進めるにあたり JIS組みや
イタリアンの事が出てきますが その違いを解ってもらえる様に
次回は JISとイタリアンの組み方の違いをご紹介しましょう

前回の記事 【 決戦用ホイール組 依頼 】

 

ホイール JIS組みとイタリアンの違い

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自転車のホイールで良く JIS組みだとかイタリアンだとか聞く事が
多いかと思いますが 今回はそのスポーキング、組み方の違いを
ご案内しましょう




自転車のスポークを使ったホイールは
ハブからリムに向ってスポーク同士が交差する事が無い
ラジアル組みと スポーク同士が何ヵ所かで交差する
タンジェント組みが有ります

そのタンジェント組みでは JIS組みとイタリアンが
存在します 今回はその違いを写真でご覧頂きます





これがトラック用ホイール イタリアンの 6本組(3クロス)です

ここでクロス数が出て来ましたが これはホイールの一番外側(ソルダリングをしている部分)
で交差しているスポーク それのハブ側の頭部分がお互い 6個離れています(そのスポーク同士
の間には他の4本のスポークの頭が有る)これが6本組です 
8本組は頭が 8個離れその間のスポークは6本です 
ここは少し表現が難しいですね 又ホイール組みの時に改めて説明しましょう



 
イタリアンは 自転車のペダルを進行方向へ踏んだ時 引っ張られる力が掛かるスポークが
(この赤いチューブを沿わした物です)ギア側もその反対側も ハブフランジの外に有ります

この赤いスポークを 左右共フランジの内側へ持って来るのを逆イタリアンなどと
呼ぶ事が有りますが ロードやトラックホイールで逆組みはあまりしない方法です





これが JIS組みの 8本組(4クロス)です 先程の 6本組との違いは交差した
スポーク同士のハブ側の頭部分で その違いを確認して頂ければ良いでしょう
こちらはスポークの頭同士が 8個離れています

この JIS組みは現在のロードでは何か目的が無い限りまず使わない組み方です
ただ一般車にはまだ多い組み方です そして今回の 両切りのハブを使った
練習用のホイールではイタリアンより JISの方が良いでしょ



 
JIS組みは ペダルを進行方向へ踏んだ時、引っ張る力が掛かるスポークは
ギアサイドの方はフランジの外側です それに対しギアの逆側は、同じ力が
掛かるスポークはフランジの内側に有ります

この JIS組みでも先程のイタリアンと同じ様に ギア側の赤いスポークを
フランジの内側 ギアとは逆側の赤いスポークをフランジの外に出す
逆 JIS組と言うのをたまに見掛けますが これもあまりしない組み方ですね

※ ペダルを踏んだ時に引っ張る力が掛かるスポークは イタリアン、JIS組み共
  ギア側はハブフランジの外側に有ります




両切りハブ
 
このハブの用途を考えると 左右のギアを使い分ける為に写真の様に
ホイールをひっくり返し使う事が有ります(クイックレリーズでそれが解ります)
その時 JIS組みにしておくと この写真の様にギアサイドのスポークは車輪を
裏向けても同じ方向を向いています イタリアンで組むとこうはなりません

この様に両切りのハブでは JIS組みの効果が有ります





イタリアンと JIS組みのスポーキングの違いは解っていただけたでしょうか

近年イタリアンが良いと言われるのは このホイールの研究を長くし科学的に証明した
方がいらっしゃり それに従い定説になっています その方の名前を取りイタリアンは
井上組とも呼ばれます ただ私はその論文を目にした事が無いのでその内容までは
不案内です

今回逆組みと言う事にも触れましたが 自転車の用途やブレーキの違いに依り
あえて逆組みにする事も有る様ですね

前回の記事 【 ホイール組み 事前準備 】

ホイール組み イタリアン 8本組

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友人より依頼された決戦用の手組みホイールですが 使い手の希望に
少しでも近づく様に気持ちを込めて組みましょう 今回は前後共タンジェント
イタリアンの 4クロス 8本組で進めて行きます





今回のホイールは友人が競輪競走で使うもの その為の部品も用意されています
これらの部品を使い タンジェントのイタリアン、8本組で仕上げて行きます

イタリアン、JIS組みの違いは先日の記事で紹介していますので 又後で
確認してみて下さい 【 ホイル JIS組みとイタリアンの違い 】




今回のホイール組みの依頼は 現役競輪選手
彼達が競走で使える部品は NJSで認可され
NJSの刻印が入った物だけです

使うリムは ARAYA 16B GOLD 36穴でアラヤの
資料では 335gです






リムのニップルホールにはハトメが付いています




リムのジョイントはスリーブ工法です




ハブは SHIMANO DURA-ACE HB-7600 ラージの
36穴で 巾は前 100mm 後ろ 120mmの両切りを用意






スポークは HOSHI 星のステンレス段付き 15/16番
サイズは 305mm この長さは定番ですね






ニップルは真鍮 ニップル回しと有れば便利なワッシャー
スポークを保持するプライヤーと CRC 5-56 を用意して
います




では組んで行きましょう

今回両切りのハブを用意していますが 現実的には
競走で使うのは片側だけです 依ってこのロックリングを
付けている方をギア側とし解説して行きます

片側しか使わないのにどうして両切りハブを使うのかは
また改めて解説しましょう






ギア側を上にし まずギア側のスポーク穴へスポークを
通して行きます 穴は一個おきに使います






便宜上、上と表現します 上のフランジ穴にスポークを
通し終えましたが 下のフランジの穴とはこの写真の様に
半個分 穴の位置がずれています



 
次に下のフランジ穴へスポークを通しますが 左の写真の位置へ上からスポークを通すと
【 JIS組み 】 右の写真の位置へスポークを通すと 【 イタリアン 】になります




今回はイタリアンで組むのでこの様にスポークを
通します




ここでハブを天地逆にし ノンギアサイドを上にします






そして空いているスポーク穴へ全てスポークを通します
これでスポークを通し終わりました






ここからスポークの綾取りを始めましょう
片方のフランジのスポークは何かでまとめておけば
次の作業がし易いですよ 私は適当な大きさの
ワッシャーを使っています






これは必ず必要な作業では有りませんが ニップルの
ビニール袋へ CRC 5-56を吹き付け シェイクしておきます
これはニップルとスポークのネジがかじり付くのを回避し
ニップルとハトメの摩擦を軽減する為です

ホイールの触れ取りが完了するまでに必要な潤滑剤なので
それ以降乾燥の早い 粘度の低いオイルを使うのが良いでしょう




スポークのネジ部にも軽く一吹き・・・






ハブのギア側を上にします それに対しリムは
ラベルの方向に拘りが有るなら 自分の好みの
方向へ合わせば良いですね






スポークの綾取りは リムのバルブ穴の所から始めます

※ ここで絶対に守る事、 リムのニップル穴は一つ置きに
左右にオフセットされています(この写真では上下になる)
それに従い ハブの右側フランジのスポークは右に振られた
穴を使います

※綾取り、 右側のフランジの外側のスポークを一本
右手に持ち そこから左へ 8本目のスポーク フランジの
内側のスポークを左手で持ち交差させます これが 8本組の
基本です






フランジ上(外)のスポークと左へ 8本目(間には 6本)の
下側(内側)のスポークを交差 
※ 交差部分で上下を入れ替えています




交差させた フランジの下側(内)のスポークを
バルブ穴の左側のニップル穴へ入れます




片方のスポークはそこから左へ二つ目のニップル穴を
使います 間には一つニップル穴を空けています
この段階でニップルは落ちない程度に、ねじ込んで
おけば良いですね




この後、今使ったスポークの隣のスポークを同じ様に
交差させ作業を繰り返します






片方のスポーキングが終わったので ホイールを
裏返します 裏側のスポークも先程とする事は一緒です 
まずバルブの横のニップル穴から始めましょう 

スポークを通した時ハブの穴が半個分ずれていると言いましたが 
それを頭に置いてスポークを眺めると バルブの横に持って行くには
どのスポークを交差させれば良いか解ると思います ここで選んだ
スポークが間違っていても気にしなくて良いですよ その時は上手く
納まりませんから違う物を選び直せば良いですね






私がバルブ部分に拘るのは これはホイールの性能に
関係の無い事ですが リムのニップル穴は均等ですが
スポークの角度に依りその間が広い所と狭い部分が出来ます

この広い所にバルブ穴を持って来るのが基本です これは
空気を入れ易くする為です 絶対に必要な事では有りませんが
基本は守った方が良いですね

今回私が紹介した手順で組めば スポーク間の広い部分に
バルブ穴が来るはずです




バルブ穴から覗けばハブの胴が見えます ここからメーカーの
ロゴ等が見える様にするなど 拘りや好みが有るなら、一番
最初の段階でそれを考えながら作業を進めて下さい

少し長い記事になってきました スポークの綾取りは
始めてすると難しく感じるかと思いますが 一度自分で
経験すればそれ程でもないでしょう とにかく自分で
やってみる それが大切だと思います





綾取りが終わったホイールのハブ部分 何回かに別けホイールに関する事をご紹介しました
この写真は前輪ですがこれを後輪と仮定するなら イタリアンの 8本組で組んだ、この写真の
ハブは左右どちら側でしょう 記事を思い出し考えてみて下さい


ホイール組みを私が覚えた頃は 今ほど書籍も無く教えてくれる人も居ない、ホイールの
現物を見ながら組み それを自転車屋のおやじさんに見てもらい ここ間違っているよと
言われまた組み直す それを何回か繰り返してやっと完成したホイールでしたが お陰で
そうして覚えた事はもう忘れる事は無いですね  皆さんも頑張ろうか(笑)

前回の記事 【 ホイール JIS組みとイタリアンの違い 】

ホイールの振れ取り作業

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前回スポークの綾取りをした競輪競走で使う決戦用ホイール
今回はこれの振れ取りを行います 使う選手の希望も有り
それに応える様に作業を進めて行きましょう




部屋の中で自転車を触る事は無いのですが
今回は自転車小屋のあまりの寒さに耐えかね
暖かい所でさせて頂きます






綾取りを終わった段階ではニップルは落ちない
程度しかねじ込んでいません






そのゆるゆるのニップルをこれから締め込んで
行くのですが 最初は指やマイナスドライバーで
全てのニップルを同じ程度締めてやります

この程度を決めるのは ニップルの頭を覗き、そこの
スポークの出具合など 何か自分で基準を作れば
良いと思います




有る程度ニップルを締め込むと ここからニップル
廻しを使います この辺りから色々と考えながら
作業を進めます

振れは縦と横の両方に出ますが 縦振れの方に意識を
多く持った方が良いですね 






ホイールのセンターにも注意を払います バルブ穴から
覗くとハブの胴が見えます ここに事前準備でハブセンターに
付けた印が有ります これをリムのセンターへ持って行く様
横振れを取って行くと良いでしょう これを絶えず意識しながら
作業を進めます






スポークのテンションが上がって来れば リムのニップル穴へ
粘度の低いオイルを一滴 スポークの交差部に一滴オイルを
差してやります これは絶対に必要な作業では有りませんが
良いホイールを組むための調味料です




この辺りに来れば スポークを保持しながらニップル回しを
使います これも良いホイールを組む為にはとても大切な
事です スポークの捩じれは良く有りません

リムを左右に寄せる場合 例えば右に寄せる時は
右フランジのスポークを張るだけではなく、右を
張った分だけ 左のスポークを緩めます

スポークを張るばかりでは縦振れが出ます
それを回避する為です




今回の依頼時の希望は固めのホイールとの事
それも 後輪より前輪をしっかりしたホイールに
して下さいと・・・

希望の固さを具体的に知りたかったので 色々な
ホイールを触ってもらい これが良いですと選んで
貰ったホイールのテンションを参考にしています
普段テンションメーターは使わないのですが こんな
処で役に立ちました(笑)






ホイールのテンションが上がり 仕上げに近づいて来れば
スポークの交差部を強く握ってスポークをいじめたり
ホイールを床に起き体重を掛け わざとホイールを歪ませたりします 
その後、改めて振れ取りをします この作業は何回しても良いですよ

ほぼテンションも予定まで上がりもう直ぐ完成と言う処で
ホイールを一晩寝かせます これも絶対に必要な工程では
有りませんが この一晩でホイールが凄く落ち着きます




ホイールを一晩寝かせました 角が有ったホイールが
凄く丸くなっています わずかな事ですがこれは
した方が良いだろうな・・・

ここでもう一度スポークの張りなどを確認し ホイールを
苛め細かな振れ取りをしてやりましょう






ホイールで大切なセンター出し この確認も忘れては
いけません ただ今回はバルブ穴からセンターを見ながら
作業を進めていたので センターの狂いは 1mm程度でした
この位の修正は 横振れを取る事で充分調整が出来ます

もしどちらかへ寄せる必要が有れば 寄せたい方のスポークを
張り その反対側のスポークを緩める事でリムを寄せます




さてホイール組み最後の仕事です




Loctite ロックタイト 222 低強度の ネジの緩み止め剤です






この 222は本来先行塗布の商品ですが かなり粘度が低いので
私は後浸透として使っています スポークのネジ部、ニップルとの
隙間から一滴塗布します






全てのニップルに塗布した後 ホイールを回転させ
その遠心力でロックタイトをネジの奥まで回します






Loctite 222 の硬化時間は 15分 完全硬化は 24時間です
これは嫌気性で空気が遮断されたら硬化します はみ出して
空気に触れている部分は固まらないので ウエスで拭き取って
やれば完了です





近くの公園です 小さな芽を出している草花も有りますが春の声を聞くのには
もう少し時間が掛りそうですね

今回片方しか使わないのに、両切りのハブを選んでいるのは このハブで車輪を組めば
オチョコ組みにしなくて良いので車輪が無理をしないと このハブを選ぶ選手が結構居ます
ホイールと言うのは人それぞれの考え方が有り中々面白いですよ
さて次は本人の希望でも有るスポークの結線、ソルダリングをやりましょう

前回の記事 【 ホイール組み イタリアン 8本組 】

ホイールの 結線と床作り

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前回振れ取りも終わり完成した決戦用ホイール 今回は本人の希望も有り
ホイールのスポークの交差部を結線します これはソルダリングとも呼ばれ
ホイールにしっかり感を出す一つの方法です






ホイールの結線、これはスポークを強く張れないホイールで
固めを望む場合大変有効な方法です これのやり方も色々と
有りますが 今回は鉄の針金を使い半田付けを行います

私が普段使う針金は鉄の 0.3mm程度の物を二重にし
それを 2回巻く事が多いです






ただ私の脚力やあまりホイールを苛めない乗り方なら
それで充分なのですが 今回は豪脚の選手が大きな
倍数を使い競輪競走と言う動きの激しい場面で使う物
普段より やや太目の針金を用意しました




まず後輪から始めます こちらは普段使う 0.3mmの
針金を使い 二重にした物を 3回巻く事にしました
必要な長さに切った針金を用意します






ここで使う半田コテはやや容量の大きな物が 短時間で
作業が出来、必要以上スポークに熱を与えなくて良いと
思います 半田は一般的な物でヤニ入りが良いですね






上は後輪で 0.3mmを使い 下は前輪で 0.4mmを使いました
今回の希望は 前輪はパンパンに固く、後輪はやや柔らかく
との希望 

先行する時、前輪が固い方が反応が良く 後輪が固いと脚に
来る、との理由だそうです この感覚は私には解らない事
です 最近の 4倍以上の倍数で先行するとこう言う事を
感じるのでしょうね・・・




それぞれの交点を素早く半田付けし 捩じったヒゲは
後で切り落します 半田が終わればヤニが茶色く残り
ますが これは小さなブラシなどで綺麗に落します




さて私の自転車小屋に帰ってきました



 


スポークのソルダリングに色を差しました 金色です




チューブラータイヤを貼る為の事前準備を行います
いきなりリムセメントを使いタイヤを貼るのでは
無く その床(ベッド)を作ってやります






まず新しいリムのは工場出荷時の油が付着しています
それをシンナーなどのを使い綺麗に拭き取ります






これは競輪選手の人達が使う  SOYO ソーヨーの遅乾性の
リムセメントです 私も随分昔は使いましたが扱いが難しい
ので何時からかリムセメンはチューブ入りを使う様になりました






リムセメントを薄くリムに塗り拡げます そのまま 24時間
置けばベッドの完成です これはしっかりと乾かした方が
良いですよ






床も完成したのでタイヤを貼ります 使うタイヤは
SOYO RED R? 縫い目の無いシームレスタイヤです






凄くしなやかで繊細なタイヤです バルブは競輪バルブと
呼ばれる小さな英式です

タイヤをいきなり貼るのでは無く 他のホイールに入れて
一晩置きタイヤの癖を取ってやります そこで・・・
このタイヤを貼るのは凄く難しいです 横振れはどの様な
タイヤでも調整しますが このタイヤは縦振れも出ます
それを取るのが難しい 私の未熟な技量ではとても選手に
渡せません

自分の自信の無いものは勘弁してもらいます 少し情けなく
悔しいですが仕方が無いです 練習し出来る様にします・・・





競輪選手が使う決戦用ホイール イタリアンの 8本組で固めに組みソルダリングで
仕上げています 皆さんには数回に渡りお付き合いを頂きましたが、今後ホイール組を
される時に役に立てば幸いです

前回の記事 【 ホイールの振れ取り作業 】

ホイール組の ご褒美

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数回に渡りご紹介した競輪競走で使う、決戦用ホイールの制作手順
ホイールの完成とともに依頼者の元へ引き渡しが済みました




ある日の夕刻 私の自転車小屋の前にボロボロボロと
4リッターオーバーのエンジン音がするいかつい車が
来場・・・




彼が車のオーナーで今回のホイールの依頼者である
競輪選手 98期で只今 S級で活躍中の 角 令央奈選手

北京オリンピック時にはナショナルチームの強化選手で
アマチュア時代から輝かしい戦績を残しています






折角来てくれたので小屋の中で自転車談義 車で来た人は
気の毒だがノンアルコールビールで我慢をしてもらいます

普段あまり聞く事の出来ない競輪選手の生活や練習の
方法など話の内容は盛り沢山 特に最近皆が使う様に
なった 高い倍数を使いこなす為の練習方法や乗り方
などはとても面白い 
そしてタイヤを貼れなかった理由も言い訳しておいた






彼が私にと届けてくれたのは ナショナルチームの
ユニフォーム 選手は皆これを着るのを目標に頑張る






背中に書かれた日の丸と JAPAN の文字 日本を背中に
せたらう(これは関西弁か・・ 背負うの意)と言うが
正にその通りだね

角君には以前にもウインドブレーカーを頂いています
彼自身の思い出のユニフォームなのに申し訳ないですが
有り難く頂戴しました こう言うのは手に入らないから
嬉しいですよね






今回初めて彼の車輪を組みましたが 彼の希望する処は
手探り状態、しかしこれを使ってみて次からは、今回の
物を基準に出来るので より希望に近い物が出来上がって
行くでしょう ※ 自転車選手と毛布はセットの図(笑)




そして彼がわざわざ買って来てくれた ケーニッヒクローネの
洋菓子 これは関西の神戸地域で有名な高級店 大変美味しく
頂きました でもこれからは手ぶらで来て下さいよ





今回のホイールビルド 数有る知り合いの中から私を選んでくれたのは大変誇りに
また嬉しく思いました でも自転車愛好家では無く彼達が仕事で使う道具、これは
凄くプレッシャーを感じます 本職の方々には遠く及ばない私の技量、
ここは一生懸命さでカバーするしかないですね

そして少し悔しい思いをしたシームレスのタイヤ貼り 今度はしっかりとタイヤを
貼ってホイールを渡せる様に練習しますとも・・・

前回の記事 【 ホイールの 結線と床作り 】

フレンチバルブ用 タイヤチャック

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自転車のタイヤに空気を入れる時コンプレッサーのホースの先に付いている
先端パーツをタイヤチャックと呼びますが これは自転車屋さんでは良く
見掛けます その多くが英式と米式バルブとの兼用ですが今迄、仏式用が
無く皆が工夫していました




エアーコンプレッサーのホースの先端 これは
良く見掛けるタイプですよね






このパーツの頭は上の英式バルブ用と 下の米式用と
両サイドが使える様になっています




しかしこの先端工具のフレンチバルブ用が中々無く
仏式に使うには色々と工夫をします






上の黒い物はフロアポンプ用のヘッド 下の小さな
物は SILCA シリカのディスク用のアダプターを
コンプレッサーで使える様にしています




ただ前述のポンプヘッドは ホースを繋ぐとエアーが
出っ放しになるので ヘッドの手前にこの様な開閉用の
レバーを工夫する必要も有ります






今回見付けたのがこれ フレンチ用のエアチャックです
発売元は STRAIGHT TOOL ストレートツール この会社は
車関係の工具類が多いのですが 最近自転車関連も少し
扱い始めています

ここは Webショップも充実していて利用される方も
多いと思いますが幸いにも実店舗が近くに有るので
たまに覗くと今回の様な物と出会えます






これも片方が米式 その反対が仏式用になっており
口金にバルブを当て中心部の金色の突起を押し込むと
エアーが出る構造です フレンチ側も内部に同じ機構を
持っています






このエアーチャックも今自分が使ってるホースの
先端に依り必要な物が変わって来ますが それ程
難しい事では有りません 私は 1/4サイズのメネジ
を切ったプラグを装着






それを取り付け コンプレッサー用のホースへ
ワンタッチで取り付け これで直ぐに使う事が
出来ます






米式用と仏式用






バルブコアのネジを緩め エアーチャックを挿入し
奥まで押し込めば O.K しっかりとエアーが充填
出来ました

この口金 ヒラメの様にゴムパッキンの開閉機能が
無いので 多くのポンプヘッドの様に入れる時は良いが
抜く時が固い、この現象が起きます しかしお値段が
880円程度 長く探しても無かったパーツ、むしろ喜ぶ
べきですよね

コッターレスクランク 抜き工具

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自転車のクランクがクランクピンを打ち込むコッタードから ピンが無くなり
フィキシングボルトで締め込むコッターレスに移行して行きました そんな
クランクを抜く為の工具です






この工具は過去私のブログの作業で何度も
登場しているので今更感が有りますが 今回
とてもお安い物に出合ったのでご紹介しましょう




袋から取り出したこの商品 STRAGHT TOOL
ストレートツールと言う会社で購入 お値段が 540円・・・






工具のクランク側の先端と 逆側 このボックスは
14mmでフィキシングボルトに使えます このクランク抜きは
初期の物と基本的に構造と機能は変わっていません






しかし後にシマノがオクタリンクのクランクを出し
他に ISIS規格のクランクはシャフトのセンター穴が
大きく この様なアダプターが必要になりました
これが付属されています

このアダプターはシマノなら TC-FC16と言う品番で
用意されていますね






このアダプター 裏側に小さな磁石が埋め込まれ
この様に工具から落ちない様に工夫がされています
お値段に比べ、少々憎い心配りに感心しました




これは SUGINO スギノのかなり初期の物で
私が 40数年前に買ってそれ以来使っています




こちらは CAMPAGNOLO カンパニョーロ やはり
40年は過ぎていますが 今でも全くへたりを感じません
これはまだ現行商品で有るのじゃないかな UT-FC060
お値段は少々お高い・・・




こちらはスギノ 初期の物と比べ少し小振りになり
細かな所で改良が加えられています




これは SHIMSNO TL-FC10 奥の物が先述のアダプター
TC-FC16です でも最近はアダプターを別途購入する
必要の無い TC-FC11と言う商品が出ています





色々なメーカーからこの工具は出ていますが どれもそれ程使い勝手に差が有りません
工具の質と言う事ではやはりカンパはその違いを感じます 

シマノや PARK Toolの商品は 2500〜600円程度 自転車整備の入門では今回ご紹介した
540円の商品でも充分じゃないかと思います まだ使っていませんが良い工具だと思いますよ


友人が来訪 そして振れ取り

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三連休の中の一日 友人が私の自転車小屋へ遊びに来てくれました
関西シクロクロスで落車した時にホイールが歪んだので その振れを
取りたいと・・・




以前から何度か来てくれているお友達の しょうさん
関西シクロクロス、今年の開幕戦で優勝したりと調子が
良さそうです

Kinoさん ホイールの振れ取りを覚えたいので教えて
下さいとの事でしたので ホイールの基本と理屈を
簡単に説明 それが解れば後は本人次第 しょうさんは
結構集中し考えながら手を進めていたので直ぐに上手に
なるでしょう




今回の講習料・・・ 途中で買って来てくれました

自転車整備は普段は外でするのですが ホイールの
振れ取りは身体を動かさないので寒さが堪えます
小屋の中でストーブも焚きましたがそれでも寒くて
ごめんね





なかなか色付かない草花ですが ぼちぼちこの様なものを目にする様になりました
早く暖かくなれば良いですね

そうそう先日組んだ競輪選手 角 令央奈選手の決戦用ホイール 2月12日から開催の
大垣競輪で使ってくれました 初日は長い外競りの苦しい展開で 8着 二日目先行し
1着 最終日の今日は先行し 2着 先程報告の電話をくれたのですが 後ろの車輪が固く
初日は行ける感覚だったのに反応しなかったと・・・ それで後ろのソルダリングは切ったと
言う事でした その感覚って解ります? でも小さな数字を二つ揃えてくれたので一安心です
人の自転車を触るのは絶えず緊張が付いて廻ります

古いリムセメントの 掃除

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最近のクリンチャー用の WOのリムではこの様な作業は必要有りませんが
チューブラーリムはリムセメントを使うので 古いリムセメントの掃除を
たまにしてやる必要が有ります






長く使わずにホイールバッグに入れ保管して有った
チューブラー用のホイールですが 古いリムセメントが
多く残っているのでそれの掃除をしてやります




これも古いホイールです 使っているボスフリーは
5速 SUNTOUR サンツアーのパーフェクトです






ハブは CAMPAGNOLO Nuovo TIPO レコードの
下位グレードでそれ程精度の良いものでは有りません
買ったのは 1972年頃じゃなかったでしょうか・・






リムは 1980年頃人気の有った SUPER CHAMPION
ARC-EN-CIEL スーパーチャンピオン アルカンシェル 
36穴のハブと 28穴のリムで組んでいます






この位リムセメントが乾燥していると リムバーや
剥離剤を使わず ワイヤーブラシの方が早く、綺麗に
なるでしょう






もう柔軟性も全く無いので綺麗に剥がれます でも
新しいリムセメンは こうは行かないですよ






今回は前後輪で 30分程のお仕事





チューブラーリムの場合 これだけ乾いたセメントの上にタイヤを貼るのは良くないですね
セメントがまだ生きていても あまり塗り重ねると重量も重くなるので適当な時期に掃除は
必要です ここから次にタイヤを貼る時はもう一度ベッド作りから始めましょう





28穴リムと 36穴ハブを使った変則組み 片方のフランジで使っていない穴が 4個有ります
スポーク長は計算では出ませんが 3種類の長さが必要です 充分に部品が手当出来なかった
頃は皆が色々と工夫をしていました

リムセメントの除去にはこんな方法が有ります
過去記事
【 リムセメントの除去 】 リムセメント クリーナーを使っています
【 リムセメントの除去 剥離剤 】 塗装用の剥離剤を使っています

COLNAGO クロモリ フレーム

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自転車のレースシーンでも良く見る事が出来る人気メーカー COLNAGO コルナゴの
古いクロモリフレームです 長く放置された自転車ですが少し見てみましょう





さて何年位前の物でしょうか かなり放置されていたらしく全てが酷い状態です
Kinoさんならどうにかするでしょうと親切(疑問 笑)に送って下さった方が居ます
レストアをしようかと思いましたが この位荒れた自転車はかなりの気力が必要
なのに併せ 何よりこれを整備する事で喜んでくれる人の存在が欲しい処です

その気力が湧かず、喜んでくれる人と出合う事もなく手を付けずにいましたが 
ちょっと別の用途で役に立つ事が有りそうなので全ての部品を外してしまいます




チェーンホイールとディレーラー どちらも Campgnolo
カンパニョーロです






PCD144 時代の?型と呼ばれる RECORD レコード
ですね 1961年からこの形のクランクですが PCDが
144 になったのは 1967年以降で このギア板が
肉抜きされたのは もう少し後だったと思います




フロントディレーラーも RECORD レコードです






プレートにエクボが無いナメクジでデベソの
タイプ オールドカンパの中でも綺麗な容姿の
変速機です 私も同じ物を使っていますが
買ったのは 1974年頃ではなかったでしょうか






ブレーキも Campagnolo です これは 1968年の登場です 
フォーククラウンはクローバーの肉抜きにメッキが施されて
います 錆が惜しいですね






3tttのステムにはコルナゴの刻印 ハンドルは CINELLI
チネリ GIRO D'ITALIA ジロドイタリアです






ヘッドのラグにも肉抜き  Wレバーもカンパニョーロです




トップチューブにはブレーキアウター用のワイヤートンネルが
直付けされておらず カンパのアウターバンドが使われています






パイプは COLUMBUS コロンバス この当時のパイプなら
フロントフォークの先端側に Cのマークが刻まれているかも
分りません 下のシールは何でしょう、コルナゴマニアの方なら
ご存知かも分らないですね




リアエンドは カンパの鍛造エンドのノーマルサイズです






カンパの直付けワイヤーリードとチェーンステーの
アウター受け この他に Wレバーの直付台座もおそらく
カンパでしょう





一通り見てみましたが部品の状態が良く有りませんね ここまで来ると私の技量では
部品の復活まで出来そうに有りません 全て磨いて再メッキやアルマイトなんて方法も
有りますがそこまでお金を掛けてする事も無いしね 

時代は リアエンド巾が 126mmなのにノーマルサイズのリアエンド 126mm時代には
シヨートサイズのエンドが有ったはずですよね ワイヤートンネルの直付がされて
いない等ちょっと考えさせられる部分も有りますが 1975〜80年位の物でしょうか
でもその頃にこのヘッド小物 Campagnolo NUVO RECORD はもう有ったかな?

次回には部品を外して行きましょう ちなみにこのフレームは石川県から届きました
そうです送り主は私のスプートニクを作って下さった カツリーズサイクルの成田さん・・

次の記事 【 COLNAGO コルナゴを分解する 】

COLNAGO コルナゴを分解する

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前回、どの様な状態か観察した古い COLNAGO コルナゴのクロモリロード
今日は部品を取り外して行きましょう 酷い錆び方をしていましたが
上手く行くのでしょうか






私が勝手に想像しているのですが おそらく
1975〜1980年頃の自転車だと思います 保管状況が
良く無かったのでしょう、水貼りのステッカーも剥がれて
しまっています








見るからに全てのネジが錆びています 作業は
ネジ部に油を差す処から始めましょう でも効果は
あまり期待していません




ワイヤーラインをすっきりさせたいので
アウターバンドを外します これを見て頂いても
解る様にこの頃の Campagnoloのメッキは本当に
良かったですよ 






小さなマイナス頭のネジが使われています
さすがに錆び付いたネジは千切れました






ブレーキのインナーワイヤーを外します 本体の
締め付けボルトに使うのは このカンパの T型レンチ
とても便利な工具です






片方は 6mmのアーレンキー そしてこの 8mmの
ボックスです 






ブレーキのインナーワイヤーをメカから外しました
ブレーキレバーを握るとタイコ部分が見えます




ブレーキレバーからインナーのタイコを外します
ここの古い物は塩を吹いて固着している物も多いので
少し心配していましたが 思いの外綺麗な状態でした






レバーパッドをめくるとレバーにスリットが入っており
ワイヤーはそこから取り外します




ワイヤーが無くなり随分とスッキリしました
この方が次の作業がやり易いですよね






ブレーキキャリパーを外しましょう この頃はまだ
枕頭ナットでは無く 10mmの普通のナットを使っています






普通のスパナでも良いですが メガネが有ればこの方が
頭を舐めにくくて良いですね ※ ここは正ネジです






ナットを緩めブレーキ本体を外しました






フロントブレーキもする事は同じです 取り外した
ナットやネジ類は 外した部品の元の所へねじ込んで
おけば無くさなくて良いですよ そんな習慣を付けて
おけば良いですね




Wレバーを外しましょう 今回はシフトワイヤーがすでに
外されていますが この部分はタイコの固着が凄く多い
ですね タイコにはグリスを塗っておきたいです






レバーの蝶ネジを緩めます 薄いワッシャーが内部に有り
この締め具合だけで固さの調整をしています






レバーを外しフレーム側のワッシャーも外しました






直付台座にはめ込んで有るストッパーを外します
塗料などが噛んで固い時は マイナスドライバー等で
少しこねてやれば直ぐに外れます






直付台座もおそらく CAMPAGNOLOでしょう
左右共外した カンパニョーロの Wレバー






次はフロントディレーラーを外します
この変速機も良く出来た部品だと思います






シートチューブへのクランプ部のネジを外します
使う工具は 先程も使った T型レンチ このボックス側は
リアディレーラーのワイヤークランプ固定ネジやペダルの
トウクリップ用のネジなどにも使えます






ねじを外し固定部を開いてやります






フロントディレーラーが外れました まだガタも無く
しっかりしているので これは使える程度には手を
掛けてやりたいですね




さてネジが凄く錆びていて上手く分解出来ないのじゃないかと
思っていましたが 案外それ程難しい部分が無かったですね
全てのネジの締め付けが緩めです これは組んだ人の感覚
なんでしょう

じゃ写真のチェーンホイールの取り外し ハンガー小物の
分解は次回に致しましょう

前回の記事 【 COLNAGO クロモリフレーム 】

次の記事 【 COLNAGO チェーンホイールを取り外す 】

COLNAGO チェーンホイールを取り外す

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先日より各部品を取り外している古いクロモリフレームの COLNAGO コルナゴ
今回はチェーンホイールを取り外します 当時の主流で有った四角テーパー
のクランクです





この自転車に使われているチェーンホイールは CAMPAGNOLO RECORD
これはカンパの?型と呼ばれているもので クランクのデザインがこれで
完成されたとも言われています 1961年に PCD151で登場していますが
写真のものは 1967年に改良された PCD144のタイプです




さて右側から始めましょう 用意したのは 5mmの
アーレンキーです






クランクのセンターキャップを外します この頃は
このキャップが他のメーカーにも付いていましたが
水が入ると抜けないのでこれを使わない選手も
多かったですね ※ここは正ネジです




中に見えているのはクランクを固定している
フィキシングボルトです






左側のクランクキャップも外します 外見に比べ
ねじ部分はとても綺麗な状態を保っています






フキシングボルトを外しますが これはカンパレンチ
カンパファンには 15ミリレンチと呼んでも通じます
ピストハブのナットにも使える工具で UT-FC050 の
品番で流通していました






15ミリレンチをフィキシングボルトに掛けます
この作業は 15mmのソケットレンチでも良いですよ






フィキシングボルトが外れました






右側も同じ様に外します ただこのネジは急に
緩む事も有るので 指を挟んだりしない様に気を
付けましょう 特に右側はギア板が有るので危ない
ですよ ※ 左右とも正ネジです






さてここからクランクを抜きます






ここで使う工具はクランク抜き工具 最近はクランク
プーラーなどと呼ぶ人もいる様です この写真の物は
カンパの UT-FC060 と言う品番です Park Toolでは
CWP-7で販売されています

ただこの工具、ネジ径もピッチも国産と同じですが
ねじの角度がカンパと異なるので カンパのクランクには
カンパの純正を使った方が良いとは思います






クランク抜き工具をクランクのキャップがして有った
部分にネジ込みます 内側のナットを緩めておき奥まで
入れば O.Kです ※ 左右共正ネジです






ここでも先程のカンパレンチを使います 
何かカンパって凄いですよね






抜き工具の内側ボルトの頭に工具を掛け 右回りに
締め込みます そうするとじわ〜とクランクが抜けて
来ます ※正ネジです




右側のクランクが抜けました 

うんちく
この四角テーパーのシャフトはカンパテーパーとも
呼ばれますが ISO規格 又シマノなどは JIS規格を
用い 双方テーパー角は 2度ですが軸径が異なり 
基本的に互換性は有りません






左側のクランクにも抜き工具をセットし この時
内側のナットを緩めておくのを忘れない様に






カンパレンチでナットを締め込むと クランクが
抜けました




これで左右のクランクが抜けました 他の部品から
比べるとシャフトはまだ綺麗なので この B.B小物は
使える様にしてやりたいですね





今回取り外したチェーンホイール 最近はどのクランクも硬い材質を使っていますが
この当時マイティコンペなどはかなり柔らかいクランクでした それに比べこのカンパは
クランク同士で叩くと凄く澄んだ音がします 実際に使ってみてもその硬さを実感出来る
チェーンホイールでした

ハンガー小物の分解は次回に行いましょう

前回の記事 【 COLNAGO コルナゴを分解する 】

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